典型的な朝食の出来上がりだ。俺は木製のスプーンでスープを掬い口へと運んだ。うまい。
「メイヒュー王国の西の国境までは馬で移動するとして……その後の目的の場所はどうなってるんだ?」
俺の問いかけに、ロリスはかじっていたパンを皿に戻した。
「何もないらしい」
「は?」
「メイヒューの西の国境はロンデスガルドの森だ。森の真ン中あたりにぽっかりと木の生えていない円形の穴が開いているらしい」
「穴、だけ……か?」
「穴だけだ。だが、近づいても入れない」
「魔法で入れないようにバリアでも張ってるのかしら?」
「宮廷魔術師クラスの
「ちょ……そんなの、どうすんだよ?」
俺たちは、冒険者としては初心者マークもいいところだ。そんな大事ムリに決まってる。
「
ロリスは黙々と食事をしているユーリスに視線を向けた。そうだ、ユーリスは
「
「そういうことだ」
俺の回答に満足そうにトレジャーハンター様は頷いた。なんだって、こいつはこんなに偉そうに見えてしまうのだろう。
食事が終わったので、部屋に戻り出発の準備をした。二日分の宿代を払い、リナからお弁当を受け取る。特別に作ってもらっている弁当だが、これが結構おいしい。また、次にココに戻れたときには宿に泊まろうと心の中で誓って、今朝買ってきた馬に乗った。