事件の事後処理が終わり、事の次第を父王に報告した。その結果が満足いくもののようで、翌日父王から謁見の間に出頭するように命令が下った。
 私は正装して謁見の間へと向かった。そこには、父王の側近たちと六貴族とその嫡男たちが道の両脇を固めていた。
 中央のカーペットの上を歩き、父王の座る玉座の階段の手前で膝をついた。
「ルシーダ内親王に命ずる。自治区マロウの総督として、その海域を荒らす海賊を平定せよ。これは勅命である」
 朗々たるおなかに響く声で、父が王としての顔で私に命令を下した。私は精一杯その威厳のある声と威圧とプレッシャーに負けないように厳かに答えながら頭をたれた。
「勅命、謹んでお受けいたします」
 それは、旅立ちの合図だった。




 あなたが見守っていてくれるなら
 私はどこまでだって行ける気がする

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